"ヨウ!! 何処にいる?!"


怒号が大地を揺らす。
漆黒の毛並みが闇よりも深い漆黒の形を得るのだ。
雄々と尾は天(ソラ)を覆う。
闇そのものが形を得た。

かつて木の葉を覆った色彩とは対になる。
黄金の光を宿す者が・・・
その色彩を怒りに変えた時とは雲泥の差で・・・
世界は闇に包まれた。


静かなる怒り・・・
それは音とはならず、風として里を駆け抜ける。

刃の様に・・・
突き刺さる風に人々は更なる恐怖を持つのだ。



金色(こんじき)の色彩を宿す子供が"狐"であると・・・


彼の怒りが里を襲う・・・


ヒトは更なる嫌悪を持って子供を見るのだった。
里の長でさえも・・・
そのヒトの目を、口を止める事が出来なくなる程に。


風が哭く


半身を探す風が・・・

里を駆け抜ける




"ヨウ!!!! 后耀!!!!"


切り裂く風は闇夜に。
陽の元では、風は一切吹かない。

陽に焦がれる様に・・・
闇の、彼の者の統べる刻(トキ)でしか吹かない。



それは今日とて・・・
変わる事のない真実。



月光が静かに降り注ぐ世界。
沈黙、静寂は彼の者が司る世界の理。


ゆっくりと風が集まる。
それは荒涼たる野で・・・
ヒトの存在など、この野ではただの肉塊にしかならない。

それは・・・


"ヨウ・・・ 何処にいるんだ? 人間如きの世界に何故留まる?!"


怒り冷めやない風が一気に野を駆ける。
その度に・・・
灰色の破片が一気に巻き上がった。
無惨に刻まれた野の欠片達が・・・



月明かりに照らされて・・・
その闇は姿を露にした。


深い、闇の色彩は黒曜石よりも輝きを秘め・・・
艶の良い毛並みが揺れる
ヒトではないその肢体は月に照らされ妖艶さをも纏う


全てが闇の色彩の中で・・・
唯一の彩りが世界を映す

燃える様な銅(アカ)色の瞳に、全ては映り込む

怒りに染まった瞳。
司る理によって、彼の者はその色彩を纏う事は稀だ。
彼の者がその色彩に全てを委ねる程の出来事。
それは・・・
ヒトが起こした事。


そして・・・
ヒトが維持し続ける事。


彼の者の半神を・・・
ヒトが隠し続ける限り、彼の者は怒りに染まる。
不安定となった彼の者は風となって里へと影響を続けているのだ。
半神を奪われた彼の者は・・・


最強にして、脆弱なる存在

半神である者が有する魂が共に在る事で維持される自らの魂
呼応する魄(チカラ)

魂を失えば・・・
魄(チカラ)は荒れ狂う

光を持たない闇は、全てを飲み込み荒れ狂うしかない





形を得た彼の者は、悠然と立つ。
彼の者を中心に一掃された荒野にて、たった一つだけの気配。
銅(アカ)い瞳が・・・
狂った様に輝きを灯した瞬間だろう。
その姿が揺れる。
一瞬で闇に溶け込んだのだ。
次の瞬間に、荒れ狂ったチャクラだけが風となって大地を駆け抜けた。
荒涼としている野を、ただの荒れ地へと変貌させたのだ。











+++ 双樹 +++
 













紅い、紅い輝きが灯る。
全ては漆黒の影が生み出す光。


水面に揺れるのは小さな一つの影。
全てを漆黒で覆い、微かに見える小さな手に携えられる真白の刃。
それは意思を持つかの様に・・・

弧を描き、軌跡を重ねて・・・
紅い光を舞わせるのだ。


それは、異様な空間。


深い森に佇む湖の水面で全ては行われる。
沈黙と静寂の森を揺らす事なく・・・
錆び付いた鉄の香りだげ満たす。

ヒトが恐れ、誰も踏み入れなくなった筈の森。
それは・・・
唯一である神々の安息の地。
半神の魂の光が宿る場所なのだ。
だが今、その場はヒトの紅によって染まった。


ゆっくりと・・・
紅い雫が充満する場所へと踏み入る。


銅(アカ)の瞳が捉えたのは、その瞬間。
小さな影が舞いを奏でる時。


彼の者は一瞬で悟っている。
ヒトの争いが起こっている事を・・・   
手を出す事はない。
ただ・・・探るのだ。
ヒトの精神へと波長を合わせて。
自らの魂の居所を、ヒトの内にある情報から引き出すのだ。



ヒトの五感が認識する情報
それは、魂の波長を合わせる事でヒトに悟られずに読む事が出来る
神であり・・・
半神としての存在が魂を有するからこそ
一定しない魂を意識下で操る事を可能としているのだ



小さく笑みを零して・・・
闇へと溶け込みながら探る
生き残るだろう最後の者を


銅(アカ)の視線を絶えず向けた。


水面で起こる戦闘。
それは一方的に終幕を降ろされる。
奇怪なる音色、奇声を一瞬で無に帰す。


それは小さな影。

水面を舞う紅い雫を輝かせる月は映し出す。
その漆黒を纏うヒト。
ヒトであり、幼さいその姿を。


ゆっくりと振り下ろされた刃、曇りのない輝きは紅を纏う事はない。
ただ、降り注ぐ月光を映し出す。
刃を軽々と操った・・・
漆黒の衣を纏う者は、無造作に軌跡を描く。


深い闇色の髪が動作に流れる。
それさえも・・・
幼子を映えさせる輝きに近い。
伏せられていた黒曜石の瞳が一瞬で細められるのだ。
それは全てを見通す様に・・・

まるで玩具を得たかの様に、口元に浮かぶ微笑。
それは一瞬で絡めとるのだ。
全ての感覚を・・・
神が施した、魂の波長を合わせる術さえも。


全てを、幼子は手中に収めた・・・


「狐ってさー 神様にもなってるっての知ってる?
 盗み見は神がする事か? 盗み見中な九つの尾の狐さん」


透明な音色は静寂を取り戻した森に響く。
波紋さえも浮かべる事のない湖は静かに響きを伝えるのだ。
ヒトの声音とは違う。
それでも・・・ヒトの気配を纏う子供が・・・
月明かりでも分かる程の微笑を浮かべて問う。
"神"と言う存在に臆する事なく。
挑戦的な微笑を讃えたままに・・・


見える筈のない神を映す黒曜石の瞳。
艶やかな色彩を讃え・・・
興味は先程の紅と通り越し一点を見据えるのだ。

そう・・・


「お前・・・ 脆弱だな 魂が足りないのか? 魄のみ完全・・・」


フッと黒曜石の瞳を細めて・・・
幼子は言い出す。
全てが真実を映す様な瞳が捉えた。
荒れ狂う寸前の魄を・・・


"ヒトの子 我が見えるのか?"


「見えなかったら話かけねーな 狐さん 九尾の一族の長だよな?」


クックックと噛み締められる笑い。
幼子のする様な代物ではないだろう。
全てを見透かしたかの様な瞳が細められる。
浮遊する魄のみの様子を見透かしながら。



"我が一族を知っておるのか?!"


ザッと殺気立つ風。
湖水の中心にいる幼子に向けて、風の刃は一気に迫る。
軌跡は刻まれた葉のみが知らせるのだ。


「あー? 知らねーよ ま、知識としてだけ?」


感情を露にした魄の固まりに・・・
更に笑いを幼子は噛み締める。
黒曜石の瞳の端に・・・透明な雫が溜まっているのだ。
必死で笑いを噛み殺す。


"餓鬼!! 何が可笑しい!!"


吹き荒れる風の刃を・・・
軽々と霧散させて、湖水の中心立っている幼子。
だが・・・
一瞬でその姿が揺らぐ。
溶け込む様に・・・湖水から姿が消え去ったのだ。


"ッッ?! オイッッッ!!!"

風が一気に湖水の中心に集い、探る様に広がる。
水面下に・・・
突っ込む様に風は水を押し分けて突入するのだ。
幼子の行方を即座に探す。

だが・・・


「感情剥き出し あ、だから半人前か? 半分だもんな で、完成」


フッと幼子の姿が再び月の元に晒される。
小さな手が持つのは紅く細い鎖。
金属の様な音色など一切せず、紐の様な鎖は絡め捕るのだ。
はっきりとしない姿で存在する者を・・・


紅は染め上げながら・・・
動きを、魄を封じる。
不安定だからこそ、安定を求めて求める魂を練り込んで創られた鎖で・・・
簡単に絡めとられた。


「・・・ マジに狐なんだ・・・」

"知るか!! 尾が足んねーよ!!"

紅い鎖の中でジタバタともがく狐。
薄らと朱金の毛並み、尾は六つに分かれている。
通常よりも大型だが、決して桁外れでもない大きさ。
古傷がなければ、愛くるしいのかもしれない。


「魄の塊だし・・・ これ以上魂との接触させっとオレのでも・・・ 
 "九尾の狐襲来"の再現になるから勘弁な 流石 魄だけでもデカイし」


ケラケラと笑いながら突く。
狐の頭を頬を・・・

その指先は問答無用に描き出す。

動作にだろう。
額だろう場所に青筋を浮かべながら・・・
狐は甘受するしかないのだ。
全てを封じられ、実体化を余儀なくされているから。
 

「只でさえ お前が起こした風 オレの所為だぜ? 迷惑だしー 取りあえず」

 
全ての作業を終えて・・・
幼子が組み出すのは長い印。
素早く、残像しか映らない程の早さ。
それでも正確無比に組み上げられるのだ。

全てを見守るしかなかった狐が・・・
ゆっくりと青ざめる。
微かに震えながら背後を確認し更に青ざめた。

背後には小さな石。

組み出された印。

それらが示すのは・・・


「封印な」


ザッと手が狙いを狐の真上へと上げられ・・・
狙いを澄ませた様に振り下ろされる。


"待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!"

「ッッッ?!」

絶叫が響き渡る。
刃の様な風を巻き起こすよりも・・・
幼子にダメージを与えるた。



"餓鬼!! 今、石に封印しようしてないか?!"


「あ? 生物だし大丈夫だろ ヒト使うと後先に影響が残るし 面倒い」


"オイッッッ!! 最後だけだろ?! 本音は?! 最後だけ?!"


ギャアギャアと叫び出す狐を・・・
ため息混じりで見やる幼子。


「んだよ 静と動の理ぐらい知ってるだろ? ヒトは元々両方ある
 だが、妖(アヤカシ)や神に近い存在は片方しか持っていない
 だからこそ一対で存在すしかない その片方がないお前は堕ちるだけだろ?」

世界にある理・・・
強大なチカラを持つ者にこそ。

"静と動"、"陰と陽"が一対で補いながら存在するのだ。

"魄と魂"の繋がりを・・・


三つの関係が全て成り立つ事によって強大なチカラを得る。


しかし、片方が欠ければ・・・"堕ちる"のだ。
それは"異形"の存在になる事。
意識すらない、チカラだけの塊。
本能しかなくなるのだ。


"オレは・・・ 会わなければならない この地の何処かにいる 半神に"

「ふーん じゃ、封じられろよ 見つけたら知らせてやる
 何かの縁だし? それぐらいしてやるよ じゃ、行くぜー」

"って、待てよ!! 石は止めろ!! 石はぁぁぁぁぁ!!!"


再び振りかぶり、一気に封印を行おうとした瞬間・・・
悲鳴の様に静止がかかる。


「お前・・・ 我が侭過ぎだぜ?」

微笑を浮かべて、眉間に皺を寄せつつ青筋を立てて・・・
幼子は言う。
ガシッと狐の首根っこを掴み視線を合わせてだ。

"せめて・・・動けるモノにしてくれよ・・・ 餓鬼・・・"

既に、抗う気もなく・・・
封印を受け入れ状態の狐は最後だと提案するのだ。

「近くにいねーんだよ ・・・さっき全部バラしたし・・・」

"・・・ 餓鬼が言う事じゃねーんじゃ?"

バッサリと物騒な一言で済ませる幼子。
狐が項垂れるのは仕方がない事だろう。



「あー でも、オレって手も在るんだよな・・・ 面倒ー」

"オイッッ!! それで行けよ!! 役得だぞ? 魄だしチカラは貸す
  チカラに合わせて身体も影響あり 傷も完全治癒だ!! ソレにしろ!!"


売り込む。
狐は思いっきり、本気で自らのチカラを売り込むのだ。
目の前の幼子に・・・
必死な形相なのは仕方がないのかもしれない。
石にだけは・・・封印されたくはないだろう。


"絶対得になる!! だから、お前に入れろ!!"

延々と続きそうな売り込み。
段々と幼子の意識が他方面へと伸びる。
どうでも良いかの様に・・・


「あー 入れてやる 入れてやるから黙らねー? 五月蝿い」

"お前!! 最後だけが本音だろ?! ってか、聞いてないし!!"

幼子は両手で耳を塞ぎ一切聞く耳を持たない。
そんな様子に・・・
未だに鎖にグルグルにされた狐は意地と根性で飛び跳ねる。
幼子の視線の高さに・・・

それさえも、鬱陶しそうに払いのけて・・・
幼子は印を組みチャクラを纏った手をやっと動かす。
「ハイハイ じゃ、行くならなー」

"早?! 心の準備がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・" 

流れる動作で、狐の姿を分解させ続いて自らの内へと流し込む。
一瞬だろう。
ヒトの内へと流れた魄は・・・
即座に理に基づき、その居場所を探す。
"静と動"の関係、"陰と陽"の関係。

幼子の内に満たされるのは・・・理の全て。
"静と動"は理解され、"陰と陽"さも・・・


「あー 収まったか? 狐」
パタパタと幼子は自らの身体を確認する。
いつもの纏うチャクラに加わる異質な感覚。
魄としてのチカラの大きさを実感して・・・
微かに笑みを零す。


"オウ 悪くねーな 餓鬼 って、お前?! 瀕死じゃんかぁぁぁぁぁぁ!!!"


数秒だろう・・・
その沈黙の後に返ってきた答え。
陽気な感じが・・・急激に一変する。

「あー そりゃ 鎖創るのに傷口広げたから 出血死寸前 取りあえず
 傷塞げるだろー 頼んだ と、チャクラの回復も宜しく じゃ、お休み」

ゆっくりと膝を折り、幼子は踞る。
微かに乱れる呼吸。
先程までとは一切が変わった。






"后耀 オレ・・・とんでもないのに関わったかも・・・
  ああ・・・でも 納まる場所はなかったし でも・・・嫌だ・・・"











月夜の晩に・・・
夜風がゆっくりと流れる。
荒れ狂った風はゆっくりと・・・
幼子を包み、その風の質を変えてゆく。


その晩に・・・
数年間に渡る、荒れ狂った風が木の葉から消えた。


ナルトとヨウの出会いから遅れること、数年。
分かれた半神もまた・・・
"器"を手に入れたのだ。

木の葉の地で・・・






「風が・・・変わった」
フッと月の光を浴びて、少年は見上げる。
金色(こんじき)の髪は穏やかな夜風に舞う。
静かな、そして包み込む様な風は・・・
木の葉では数年ぶりに吹く。

【どうやら・・・ 出会えた様だ "堕ち"ぬなら出会えるのぅ】

「どうした? ヨウ」

内の存在が紡ぐ言葉は気にかけずにいると何処かに消え去る。
それ程儚く、透明な言葉なのだ。

【何 変わりないぞ? ナルト そろそろ戻らねば泣かれると思うが・・・】

「ッッッ 戻る!!」

サッと飛び立つ。
暗く湿っぽい路地裏から。
勢い良く飛び出すのは少年の姿で。

"狐"だと・・・
この場から去る事さえも不可能だろう。
何も知らない、無力な子供でなければならないのだから。


闇に溶け込み・・・
向うのは火影が統べる屋敷。
幾つもの結界に護られ、真実を知る者しか入れない場所。
そこは小さな"箱庭"。

フッと結界を解除し、難なく少年は降り立つ。
否、降り立った姿は・・・
まだ幼子と言っても良いだろう。
齢六つを数えるだろう子供が窓から飛び入った瞬間に・・・

「にい!!」

愛らしい声音、トタトタと歩む幼子。
金色(こんじき)の髪は今日は纏められ二つのお団子。
勢い良く窓からの侵入者に飛び付くのだ。

「ナルちゃん って!?」
「どうしたの?」 

一対となるべき妹は・・・
内の存在の影響でその成長を止めなければならなかった。
だからこそ、今は兄妹程違うのだ。
それは今もだが・・・
「背・・・伸びたよね?」
「ウン 伸びた!! にいに近付くの!!」
小首を傾げながら問うのはナルト。
抱き上げた瞬間に分かったのだが・・・
ナルコの姿が少しだけだが、成長しているのだ。
愛らしいナルコの答えは微笑と共に。

【流石 半神の魂が少しだけ落ち着いたからな 我の魂も呼応したのぅ】

『・・・ ヨウ どう言う事?』

キャッキャッと喜ぶナルコを抱き上げたまま・・・
隣の部屋に移動する途中で響く内の存在の声音。
自らも内へと言葉を投げかける。

【やっと理に叶う者がいたと言う事か・・・ ウム ほんにヒトは面白い】

『イヤ・・・ 分からないって・・・』

クツクツと笑いを堪える存在に、心持ち不機嫌さを表しながらも・・・
表情は微笑を浮かべ続ける。
腕の中の存在が笑えれば良いのだから。


夜の遊び。
陽の元では中々会える一対ではないから。

補う様に穏やかな時を過ごす。
「にい トランプ遊ぼ!!」
「オウ でも、夜は寝るから 終わったら寝ような?」
「一緒ならいいよ!!」
嬉しそうに両手に分けたトランプをナルトの目の前に出し・・・
ナルコは蒼の瞳を輝かせる。
そんな輝きに苦笑いを浮かべながらも、ナルトも笑いながら答えるのだ。


 
数時間が過ぎてからだろう。
一対は揃って・・・
同じソファーで身を寄せ合い寝息を立てる。
手は繋がれまま・・・
穏やかな微笑を浮かべて、眠りの地へと歩むのだ。


その姿を・・・
三代目火影が気配を足音を忍ばせて見守る。
その表情は穏やかで孫を見守る祖父だった。

だが・・・
その晩は微かに瞳を歪めた。


「ナルト・・・ また背をわせてしまうのぅ・・・」

悲痛そうに歪んだ瞳。
脳裏を過ったのは"木の葉隠れの里"の民の進言。

"狐"をいつまでも火影邸に置いておくのは・・・と・・・

上層を含めて次々に言われるのだ。
それは・・・
火影が下さなければならない決断だろう。


今はナルトが実質は火影邸の離れ、ナルコの存在はひた隠しなのだ。
ナルトが外に出なければならないのなら・・・
ナルコは?


微かな不安を胸に、だが今は穏やかに眠る子供達を見守る。





木の葉の大地に・・・


ゆっくりと新しい動きが始まった。





一対の存在が織り成す全て・・・



ヒトと神に近いチカラを宿す者が織り成す一対の物語。