手に入れた尊いモノ
やっとお互いがお互いに手に入れたモノ 手放すことなんて出来ない 【珠玉(尊いモノ)】 ナルトと付き合いだしたということ。 それを聞いて愕然とした後、もうオレを必要されなくなったようで悲しくなった。 「シカヤ」 イタチの呼ぶ声が聞こえる。 そうオレはシカマルよりずっと前にシカマルの手を離してイタチの手を取っていた。 お互いが唯一だと思っていた時代。 そんな時にイタチはシカマルではなくオレの手を掴んでくれた。 あの頃のオレは自分達以外の存在を認めることが出来なくて随分と視野が狭かった。 オレがオレでいられる時間があの暗部として活動する時間だけで でもそれでもオレの名前を呼んでオレを認識してくれるのはシカマルと三代目だけでオレは自分というものを見失いかけていた。 そんな時に組まされたのがイタチ。 イタチはオレ達をきちんと見てくれていた。 そして悩んでいるオレに気付いた。 オレは多分シカマルと三代目以外の誰かにオレの名前を 呼んで欲しかったのだろう。 自分達の正体をイタチに話してしまった。 危害を加えるのなら記憶を消してしまえばいいと思って初めてシカマルに何も言わずに実行してしまう。 後でこのことを話したらシカマルは 『多分話してしまうと思ってましたよ』 って言って黙ってオレ達のことを話したオレのことを許してくれた。 イタチは黙ってオレの話を聞いていた。 聞き終わるとイタチは口を開いた。 「シカヤ。とこれからはきちんと呼ばせてくれるか?」 意外な言葉にオレは反応できずにいる。 しかも咄嗟に口から出てきたのは間抜けな答え。 「暗部の時には呼ぶなよ。 それにその名前はいない人物の名前だ」 「それなら、シカにしよう。そうすれば他の者にはシカマルと呼んでいるように聞こえるしな。シカヤとシカマルと三代目だけがいる時はシカヤと呼ばせてもらう」 イタチはそう言ってオレに手を伸ばす。 その伸ばされた手を不思議そうに眺めるオレ。 「これからよろしく、シカヤ」 オレはイタチの手を恐る恐る握る。 手が重なった瞬間イタチは力を込めて握りしめる。 それに思わずオレも握り返してしまう。 「よろしく・・・」 今思えばきっとあの時からシカマルの手を徐々に離していたのだろう。 そしてこの手に掴まった。 知らず知らずのうちに大きくなっていくイタチの存在。 そしてそれが決定的になったのが暁への潜入捜査。 その時にオレはシカマルの傍でなく イタチの傍にいたいと思っていた。 三代目は気付いていなかったがシカマルには流石に気付かれていて躊躇しているオレの背中を押してくれたのもシカマルだった。 潜入捜査に行く前の日にオレはイタチに自分の気持ちを打ち明けた。 「イタチ、オレお前が好きだ」 イタチはビックリしてオレを凝視していた。 こんなことを言われてはイタチも気まずいだろうとオレは逃げるようにその場を去ろうとするがまたイタチの手に掴まった。 「シカヤ。俺もお前のことが好きだ」 「嘘だ」 「何故嘘なんて言わなくてはいけない」 「イタチ・・」 オレは思わず泣き出してしまった。 そんなオレをイタチは引き寄せ抱きしめた。 「シカヤ。必ず連絡は入れる。だから任務が終了するまで待っててくれないか?」 「待ってる、待ってるから連絡入れてくれよ」 「ああ」 この時からオレは完全にシカマルの手を離した。 それからはまるでイタチの代わりのようにシカマルを構っている自分に嫌な気分になってしまうがシカマルは何も言わずにオレに好きなようにさせてくれた。 でも、やはり手を離したとはいえ自分の大事にしてきた半身にちょっかいを出されるのは面白くない。 だからナルトとの仲を憂さばらしするように邪魔していた。 直感的にわかっていたのだろう。 きっとナルトはシカマルの大切な存在となってしまうということに。 だからシカマルがナルトと付き合うことになったのに納得はしても気持ち的に納得いかない。 「こうなったら徹底的に邪魔してやる!」 「シカヤ」 そう呟いたオレにイタチは溜息をつきながら諦めたようにオレの名前を呼ぶ。 でも今は折角手に入れた尊いモノと過ごす時間を大切にしよう。 邪魔するのはそれからでも遅くない。 この前シカヤにナルトと付き合い始めたことを話しました。 シカヤは一瞬怒りと悲しさを混ぜたような表情をしましたが すぐにお祝いの言葉を言ってくれました。 その時の様子がまるで以前の自分を見ているようで少し罪悪感を感じていました。 「シカマル」 ナルトの声はとても不思議で今まさに暗い思考の波に呑まれようとしていた所を明るい所へと引き戻してくれます。 俺がシカヤの手を離して手を掴んだ存在のナルト。 その存在は容姿と同じ様にとても明るく眩しい存在です。 特に闇の中にいる俺にとっては・・・。 シカヤがイタチの手を取る事はわかってました。 それにシカヤが悩んでいたことも知っていました。 ただ俺ではシカヤをその悩みから救い出せることが出来ないと思っていましたからずっと傍観していたのです。 誰かがシカヤの前に現れ存在を肯定してくれる人物が出来ることをずっと願っていました。 だからシカヤが俺達のことを俺に内緒でイタチに話したことに気づいていた途端イタチがシカヤにとってかけがえのない存在となることがわかりました。 イタチはシカヤに気付かれないように俺に話しかけてきました。 「シカマル。話はシカヤから聞いたのだが、聞いてもよかったのだろうか?」 イタチの言葉に俺はこの人ならシカヤを任せらると安心する。 「ええ、シカヤはイタチに話すことによってバランスを取り戻しています。ですからこれからもシカヤのこと気を付けて見ていてあげて下さい」 「わかった」 イタチはそう言うと俺に一礼して離れていきました。 俺はシカヤを任せれる人物に出会えたことに喜んだがそれと同時にシカヤが俺から離れて行ってしまうのにすごく不安な気持ちと悲しさで感情が一時的に混乱してしまいました。 そして運命とも言えるイタチの暁への潜入捜査。 シカヤが目に見えて動揺し始めたのを見て俺はシカヤの背中を押してあげました。 きっとそうしないとシカヤもイタチもお互い自分達の気持ちを押し殺したままになってしまうと思ったからです。 シカヤが離れてしまうのは悲しいですがやはり幸せになってもらいたいのです。 ですからいつまでも俺に縛り付けておくことなんて出来ません。 どうやらお互いの気持ちを伝えることが出来たようで戻ってきたシカヤの顔はすっきりとしていました。 それからの日のシカヤは何処かぼんやりと遠くを見るようになる日が多くなりました。 そしてイタチの代わりのように今まで以上に俺を大切にしてくれました。 俺はシカヤが俺を大切にしてくれるのが例え代わりだとしても嬉しかったのですが日に日にシカヤは遠くを見る日が多くなり隠れてイタチを想って泣いていることにも気付きました。 そこで俺は暁に情報を秘密裏に流しイタチが来るように仕掛けると計画通りイタチが木の葉に戻ってきました。 これでシカヤが泣く日がなくなると思うと同時にシカヤを泣かしたイタチのことが許せなくてつい手が出てしまってました。 シカヤはイタチが戻ってきてからイタチと一緒にいることが多くなり俺は一人でいることのほうが多くなりました。 そんな時にナルトに告白されました。 ナルトの存在は俺にとっては眩しい光のような存在でオレのように闇に染まっていなかったのです。 まさかと思うと同時にどうしようもない喜びが溢れてきました。 俺のことを見ていてくれている人物がいると思ってもみなかったからです。 「シカマル?」 「ナルト。傍にいて下さいね」 「勿論」 やっと手に入れた存在を離したくはないです。 この光溢れるナルトをずっと自分に繋ぎ止めておきたいです。
手を伸ばせば あとがき シカヤ視点とシカマル視点で今までのことを振り返ってます ある意味これ読むと話の内容がわかってしまうという 恐ろしいものですね ここまで読んでくださり 有難う御座います 隠れし者 管理人:夜那 鹿’S「「ありがとうございま(ー)す」」 蒼「紫が狂喜乱舞でどっかに吹っ飛んで逝きましたー (そのままー?)」 白「落ち着きましたからでしょう? 夜那様のシカヤとシカマルが」 蒼「"シカマル"かー オレ等のとじゃ大違い」(ケラケラ) 白「根本が貴方と私ですからね」(クスクス) 紫『ただいま〜 良いですね!! 良いですね!! 双子の醍醐味ですね!!』 鹿’S「「(帰ってきたー(きましたね)」」 蒼「帰って来ても逝ってるしー・・・」 白「仕方がないので・・・ 」 蒼「おー 投稿ありがとうございました」 白「もし宜しければ またご利用下さい」 鹿’S「「ありがとうごいました」」 以上、紫架でした?! 夜那様!! 本当にありがとうございました!! W鹿 そして、お題コンプリート!! 本当に遅くなりましてスミマセン そして、邪魔なキャラコメ(ってか、乱入騒ぎ?)スミマセン 次回もご利用下さい!!! 02・25 |
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