これからもずっと一緒
離れることなんて出来ない
それよりも離れたくない
やっと出会えたというのに・・・

【兄(弟・姉・妹)離れ】

ここ最近の任務は何故かシカマルと別々の任務につくことが多い。
今日もまたそれぞれ違う任務が入っている。
しかも、オレになにやら相棒がつくらしい。

「三代目。相棒なら闇夜でもいいじゃないですか?」

オレがわざとらしく丁寧に聞く。
三代目は目に見えるほど動揺している。

火影がそんなんでいいのかよ。

と思わないでもないが今のオレはちょっと殺気が一直線に三代目に向かっているのを抑えきれない。
オレと三代目がそんなことをしているのを闇夜ことシカマルはいつものことだとばかりに放っている。

「三代目」

そこに新たな声が入ってきた。

ちっ、今いいところなんだから後にしろよな。

オレは渋々三代目に向けていた殺気を治める。

「おお、光朝(こうさ)遅かったの」
「で、何?」

光朝ってもしかしてこいつが今日の任務の相棒だなんていわないよな。
っていうかこいつも暗部だったんだよな。
すっかり忘れていたぜ。
オレ等が他と組まないからすっかりこいつの存在忘れてた。
確かにこいつならオレ等と同等以上の力があるから
別に組んで任務やったとしても問題はねえよ。
で、何が問題かっていうとだな・・・
闇夜と任務をこのごろ全然一緒にやってないのが問題なんだよ!

オレがつらつらとそういうことを考えていると光朝ことうずまきナルトがこちらに視線を寄越す。
けど、今はこの狸をどうこらしめるかでオレの頭は一杯だった。

「光朝、こっちの右黒左白の面が灯火。あっちの右白左黒の面が闇夜じゃ」
「ふーん」
「今日は灯火と一緒に任務に行ってもらう」
「ぜってえ嫌だ」
「なっ!灯火!」

オレは速攻断る。
だから、相棒が必要なら闇夜でいいだろ。
それをこのジジイは何を考えてやがる。

「はあ!?何お前ホカゲサマに向かってそんなこと言えるわけ?」

って、思いっきり一部言葉が変だったぞ。
そう言うお前だって嫌だろうが。

三代目が溜息をついてオレを見る。

「ならばしょうがあるまい。闇夜頼んだぞ」
「ふざけんな!闇夜に行かせるぐらいならオレが行く」
「そうか、なら頼んだぞ」
「はいはい」

三代目の策略にはまったみたいだけど実際問題光朝と行かせるぐらいなら多少目を瞑って我慢すればいい。
任務書を受け取って一通り読むと光朝に渡す。
光朝は読み終わると同時に任務書を跡形もなく燃やす。

「よしそれでは行って参れ」
「「御意」」

オレは行く前にシカマルを一度思いっきり抱きしめた後窓から出て行く。
二人が出て行った火影室に残されたシカマルは三代目に向き直る。

「それで三代目は何をなさりたいのですか?」
「・・・気付いておったのか」
「当たり前です」
「いや。そろそろ兄弟離れしてもいい頃じゃないかと思っての」

三代目の言葉にわずかに部屋の温度が一度下がったような気がした。
それを不思議そうに腕を少しこする。

「何を今更言ってるのですか」

シカマルとシカヤは出会ってから今までの中で一度だけ兄弟離れをしそうになった時期があった。
その時期を三代目は知らず知らずの内に潰していた。
そして今回のこれも実は三代目が兄弟離れさせようと画策したことだった。
お互いがそれぞれに任務に付き違う相棒と任務を行っていけば自然と兄弟離れが出来るのではないかと思ってのことでその相棒に光朝を選んだのは三代目なりの一石二鳥を狙ってのことだった。
そんな三代目の思惑通りに事は簡単には当然進むはずがなかった・・・。
一方もの凄い速さで任務地に向かう灯火と光朝。

「おいお前」
「・・・・・何だよ」
「言っておくが闇夜に手を出すなよ」
「誰が出すか!」
「そんなこと言っていてもわからないからな」
「絶対出さねえから安心しろよ」
「安心できるか。いいな、闇夜はオレのだからな」
「しつこい!!!」

切れた光朝がさっさと行こうと先程よりもスピードを上げる。
それに気付いた灯火も追いかけるようにスピードを上げたため任務地に早く着いた。
着くと同時に結界を張り逃げれないようにすると任務を終わらせる為に二人は獲物を振るう。
「ただいま」

光朝はそう言いながら窓から入ってくる。
灯火も窓から入るが一目散に闇夜の元へと行くと闇夜を抱きしめる。

「ただいま闇夜」
「お帰りなさい灯火」

そんな二人を呆れてみている光朝。
三代目は自分の計画が失敗したことに気付き頭を抱える。

「それでは三代目失礼します」
「じゃあな」

三代目の返事を聞く間もなく二人は姿を消す。
光朝は三代目に視線をやる。

「なんだあいつらは?」
「彼奴等は兄弟じゃよ」
「兄弟・・・?にしてはやけに仲がいいな。さっきオレにあの灯火って奴が闇夜は自分のだから手を出すなって言われたぜ」
「彼奴は・・・」

告げられた内容に三代目は一層頭を抱える。

「で、じっちゃんは何がしたかったんだ?」
「兄弟離れをさせようと思ったのじゃが・・・」

三代目の言葉に光朝は先程の光景を思い出すと少し同情したような目で三代目を見た。

「アレは・・・無理じゃねえ・・・・・?」
「やはりお主もそう思うのか・・」
「だって、逆効果としか思えねえし」
「そうみたいじゃな・・・・。せめて二人のうちのどちらかにでも間に入れる人物が出来ればいいのじゃが」

三代目の言葉に光朝は今回の任務はその為に組まされたのだと気付く。

「だからって人をダシにするなよな」
「お主は興味を持つかと思ってのう」
「まあ確かに興味を持つには十分だけどな」
「じゃから前から組ませて見たかったんじゃ」
「んで、ついでにあいつ等の兄弟離れが出来ればいいって事か」
「じゃったんがの」
「諦めたほうがいいんじゃねえの」
「いいや。儂は諦めんぞ」
「あっそう」

三代目の決意に冷ややかに返す光朝。
でも興味を持ったのは確かだから三代目の思惑に乗ってみてもいいかとも思う。

お互いがまだお互いを必要としている
それは何か足りないものを埋めるために
きっとそれを埋めることが出来るのが
何処か他にいるのなら
自然と離れていける

だから
もう少しこのままでいさせて下さい
いつかくる別れの為に










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あとがき
兄弟離れはずっと出来なさそうですね
この二人無意識にラブラブな雰囲気出してますし
どれだけお互いが大切なのかというようなお話でした


隠れし者 管理人:夜那






紫『兄弟愛!? ってか、シカヤ→シカマルが良いです!!
     ナルシカもイタシカも捨てがたいのですが・・・』
蒼「・・・(ため息)」
白「相変わらず節操ないですね 自滅がお好きの様で」(爽笑)
紫『!? ・・・えっと? イヤ・・・シカナルもシカヒナも良いのですよ・・・』(泣言)
蒼「まー 夜那さんのがいいんだろ?」(憐れみ)
紫『ウン!!! 可愛いし、でも確りしてるし ラブラブだし!!!』(飛び付き)
白「そう言う事にしておいてあげますね」(ニッコリ)
蒼・紫「『(いつか殺(ヤ)るなー(れる!?)』」
白「まだまだ 引き続き御堪能下さい」(微笑)



以上、紫架でした・・・(ガタガタ)