その日は範囲が広いということで七班と十班の合同任務だった。
いつものように騒がしく任務をこなしていく。

こんな平和な時間が壊れてしまうなんて
一体誰が思っていたのだろうか・・・。

【容赦なし】

その日の合同任務は暁の乱入により一時騒然となった。

「狙いはナルトか!」
「お前達さがってろ!」

上忍達が構える。
それに対するのはうちはイタチと干柿鬼鮫。
一触即発の空気が漂う中で突然笑い声が聞こえてきた。
思わずそちらに目を向けてしまう。
笑っていたのは黒髪を頭上高く結い上げている子供だった。

「シカマル・・・?」
「どうした?」
「何がおかしいのですか?」
「・・・・・」

上忍二人と鬼鮫は突然笑い出したシカマルに疑問の声を寄越すが残りの一人イタチだけは何故か冷汗を流していた。

「クククッ。いや狙いがナルトなら一応守ってやらねえとな。第一オレ達まで無事とはかぎらねえし?精一杯抵抗しないとな」

シカマルことシカヤはそう言うとクナイを取り出して構える。

「いいから、お前はさがってろ」
「そうそうここは俺達に任せていいよ」

上忍達はシカマルに下がるように言う。
それをシカヤは聞かなかったように一歩前に踏み出す。
そうすると何故かイタチが一歩後ろに下がる。
それを全員が不思議そうに見ている。

「・・・・シカ」
「知り合いなのですか?イタチさん」
「知り合いじゃねえよ。
サスケの兄貴だっていうのは知ってるけどな」

鬼鮫の言葉に返答を返したのはシカヤのほうだった。
シカヤは笑顔のまま一歩ずつ近づいていく。
それに対するようにイタチも一歩ずつさがっていく。

「何逃げてんですか?抜忍さん」
「シカ・・何を怒っている?」
「やだなあ。初対面の人に怒るわけねえだろ。まあ怒ってんのはオレじゃなくてサスケの方じゃねえか?」

シカヤは確実に近づいていくのを何故か止めるのが恐ろしく上忍達は止めれずにいた。
鬼鮫は大分自分の傍に来ていることに気を取り直す。

「邪魔をするなら容赦しませんよ」
「鬼鮫、やめろ」

イタチの警告も遅く鬼鮫は言うと同時に鮫肌をシカヤに向かって振り下ろした。

誰もがシカマルはもうこの刃の餌食になってしまったと思った。
土煙が晴れて見えてきた光景に全員が驚くことになる。
シカマルが鬼鮫の後ろを取ってその背中にクナイを充てているからだ。

「どう容赦しないって・・・容赦しねえのはこっちのほうだっつうの」

シカヤはそう言うと鬼鮫を放っておいて再びイタチのほうに行く。

「シカ!落ち着け」
「やだなぁ。落ち着いてますよ。別に一向に戻ってこないあんたが本当に抜けたんじゃないかって思ってたりもしませんでしたし」
「仕方がないだろう。思ったよりも根が深かったのだから」
「さあ、そんなことは知らねえしな。大体抜忍に何言っても無駄だよな」
「ちょっと待て。勝手に人を里抜けさせるな。任務の計画立てたのお前達だろう」
「なんのことでしょう」
「ちょっと待てってば!お前等知り合いだってば!!」

二人の会話にとうとうナルトが切れて口を挟む。
その問いに二人同時に答える。

「そうです」
「違う」
「どっちだってば!!」

答えられた別々の回答に再びナルトが叫ぶ。
実際ナルトが叫んでいることは今ここにいる全員の気持ちだったりもする。

「はあ、どっちでもいいじゃねえか。めんどくせーし」
「よくないってばよ!」

シカヤの言葉に思わず突っ込むナルト。

「そんなことよりナルトを連れに来たんだよな。だったら容赦しなくていいよな」
「容赦して下さい・・・・」
「ふっ、問答無用」

シカヤは言うと同時にイタチに切りかかる。
その手にはいつの間にかクナイに変わり一振りの刀が握られていた。
あまりの展開にすでについていけなくなっている面々。
その中でも唯一ナルトだけが何とかついてきている。
派手に打ち合っているのをただ見ていることしか出来ない。
そこにのんびりと声が響いてきた。

「こんにちわ。何やってるんですか?」

その突然聞こえた声に驚いてそちらのほうを一斉に向く。
そこには一人の右白左黒のお面を被った暗部と思われる人物が立っていた。
暗部だと断定できないのはその人物があまりにも小さく下忍達と同じぐらいの背丈しかなかったからだ。

「誰だ?」
「通りすがりのただの暗部です」

そうあっさり答える暗部。
怪しさが倍増しただけだった。

なんで闇夜がここに!?
ただの暗部がこんな所通るかー!
ってその前に姿現さないよね、普通・・・

ナルトはその暗部を知っている為にここにいるところに驚き
上忍・下忍達は暗部の答えに少し呆れていた。
そんな疑惑の目で見られるがそんなことはお構いなしに闇夜は二人のほうへ向かって歩き出す。

「何するつもりだ」
「あれ止めようと思ったのですけど・・・必要ないですか?」
『止めてください!お願いします』

闇夜の言葉に縋りつくように全員団結して声を揃えて答える。
面の下で苦笑して再び歩いていく。
激しい応酬の中先程の暗部が平然とその中に割って入っていく。

「はい、そこまでです。二人とも」

あっさりと二人の攻撃を止め平然としている。
突然現れた人物に先程まで打ち合いしていたのをやめる。

「何で止めるんだよ」
「止めてくださり有難う御座います」

シカヤは不満気に言い、イタチはホッと一安心した。

「いえいえこれ以上関係ない人達を混乱させるのも可哀想ですから痴話喧嘩はどこか別のところでやって下さい」

その言葉に他にも人がいたことを思い出したシカヤとイタチ。
どうやら先程までの険悪な空気がなくなったことに気付いた面々は胸を撫で下ろした。

「一体誰だってば!?」

ナルトの問いはその場の全員の疑問だったらしく探るようにこちらをじっと見ている。

「誰ってお前は知ってるだろ」
「そうですよね。何でそんなことを聞かれるのですか?」
「「光朝?」」

話についていけなかった者達がその名前を呼ばれたナルトを一斉に見る。
ナルトはまさか自分のことがばれているとは思ってもみていなかったらしく目を開いて凝視している。

「まあ他の奴等は知らないからな」
「そうですね」

暗部は頷くと被っていたお面をとる。
その下から出てきた自分達がよく知っている人物の顔と瓜二つなのを見て驚く。

「初めまして。奈良シカマルと申します」

シカマルはそう言うとぺこりと頭を下げた。

「えっ!?で、でも・・・そっちもシカマルで・・」
「影分身??それにしてはチャクラが減ってないし・・」

指をさしながらなにやら納得がいっていない上忍・下忍達はぶつぶつと呟いている。

「分身じゃないぜ。オレ達は双子だ」
『双子!?』
「そうです」

突然突きつけられた事実に声を上げる。
それを楽しそうに見ているシカマルとシカヤ。

「それじゃあ私達の知ってる”シカマル”は?」
「下忍時の”シカマル”はオレ」

シカヤはそう言って自分に指をさしながら言う。

「シカマルという名を持つ者はこっちが本当の奈良シカマルだ」
「それじゃあ。そっちが”シカマル”というならさっきまでのシカマルだったあなたは誰なの?」
「俺はシカマルの双子の弟の”シカヤ”だ」

徐々に混乱が解けてきたのであろう大分落ち着いてきた面々は疑問をぶつける。

「じゃあナルトの光朝?っていうのはなんだ」
「光朝は俺等の暗部仲間」
「暗部?」
「はあ、そうだ。こんなふうにばらすつもりなかったのに・・・」

ナルトが諦めたように白状した。
説明を聞いて落ち着くとサスケが本題に入る。

「それで兄貴とシカヤはどんな関係なんだ?」

それに興味津々のメンバー。
シカマルとシカヤとイタチは顔を見合わせた後口を揃えて言った。
「「「恋人(ですよ)(だ)」」」

そのことに実はシカマル今となってはシカヤにだが思いを寄せていた者達は打ちひしがれる。

「って、灯火お前恋人いたのにオレと闇夜の仲を邪魔してんなよ!!」

ナルトがそう声をあげる。

「はあ、ふ・ざ・け・ん・な!?だーれーがーお前如きに大事なシカマルを渡すかよ!!」
「ふざけてんのはお前の方だって!自分は恋人作っておいてそれはねえよ!」
「それとこれとは関係ないっての!お・ま・えに渡したくないだけだ!」

睨みあっているシカヤとナルトをいつものことだと傍観しているシカマル。
こっちに被害が来てはたまらないとばかりに少し二人から離れるメンバー達。

「ああそうです。イタチさん」
「何だシカマル?」

ふと何かを思い出したのかシカマルはイタチに呼びかける。
イタチは不思議そうにシカマルを見ている。
シカマルはイタチの傍に行くと突然もの凄い速さの攻撃を繰り出し
最後に地面に叩き付けた。

「イタチさん!!」

鬼鮫が声をあげてイタチの名を呼ぶがこんなにもあっさりあのイタチを地面に叩きつけることが出来た人物を見たことがなく呆然としてしまう。
そしてこれには言い争いをしていたシカヤとナルトも黙ってしまい沈黙がその場を包む。

「シ・・・カ・マル・・?」

イタチの微かな声が響く。
シカマルは地面にへばりついているイタチを見て極上の笑顔を見せる。
しかしその背後の気配はとてつもなく恐ろしかった。

「イタチ。一応手加減はしてあげました」

シカマルの言葉に全員固まる。

あ・・あれで、手加減してるの!?
容赦なかったように見えたけど・・・

イタチは地面に倒れたままシカマルに聞く。

「な・・ぜ・・・?」
「何故といわれますか。そうですね。いつまでも連絡一つ寄越さない貴方のことを想って泣いている弟が不憫でしてね」

シカマルはそう言うと笑顔を一層深くしてイタチを見る。

「次は容赦しませんよ」

いや、さっきのも十分容赦なかったから!!

全員の気持ちが一緒になった。
あの鬼鮫でさえもそう思うほどに先程の攻撃は十分鋭いものだった。

「鬼鮫さん。無駄な抵抗はやめてくださいね。抵抗さえしなければ貴方の身の安全は保障しますから。いいですか?」

シカマルの一種の脅迫とも取れるような言葉に鬼鮫は先程の攻撃を思い出し冷汗を流しながら首を縦に振った。

自分の大切な者が苦しんでいる
それの原因がわかっていれば
その原因を徹底的に攻撃する

容赦なんてしなくて当たり前










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あとがき
イタシカヤ です

他のメンバー達にもばれました
ついでに鬼鮫も仲間に引きづり込んでしまいました
あとは、ナルシカマルの仲を発展させたいですね
思いっきり邪魔されること間違いナシでしょうけど・・・


隠れし者 管理人:夜那





紫『邪魔が良いのです!! ナルシカとイタシカァァァァ!!!! 美味しい所だらけじゃ!!』
蒼「逝ってるなー 紫 あ ありがとうございまーす」
白「・・・ (使えませんね) 」(紫を見やる)
蒼「容赦ってー なー 大切なモノが傷ついたんなら必要ないだろー」(ケラケラ)
白「そうですね 傷・・・泣く程の事をさせたのなら・・・」(邪悪笑)
  紫・蒼『「(キター?!)」』
白「殺さず生かさずが基本ですね 容赦? 手加減? 必要ないでしょう」(爽笑)
紫『(ガタガタ)・・・ えっと・・・』
蒼「(ヒナ関連・・・ あー 過去か? 過去は泣いてたもんなーヒナ)」
紫『バレましたね!!! 展開が展開があぁああ!! 気になりますよね!?』(必死)
蒼「だなー ナルトがー進むかねー」(ケラケラ)
白「次は ・・・ ナルト・・・頑張って下さい・・・」
蒼・紫「『??』」



以上、紫架でした・・・